MEKE3コラム

2021.02.23

これも新しい発想、CMYK用前処理剤(前編)

ウエット用の前処理剤の製造は順調です。予定通り3月の初めには完成いたします。

その間に、前から品質のことで悩んでいたことが、対策できたので、ご報告します。

2018年公開のWD映画のTシャツプリントを受けたときの事です。今までは、気にかけていなかったのですが、
シロTシャツとクロTシャツに同じ柄のプリントの依頼を受け、マニュアル通りシロにはCMYKで、クロにはシロ引きでプリントしたものをサンプル見本で提出すると、「クロTはOK、シロTは線がぼやけて色目も薄くクロTの品位と違いがある」と言われました。カラーバランスを調整して再提出したのですが、指摘の許容内に揃える事ができませんでした。結果、シロTもシロ引きをしてプリントをしました。その後、シロとクロのボディに同じプリントをする場合は、色差が出る事の了承を得てから、プリント依頼を受けることにしました。しかし、緑系、赤系は、まったっく違う色で、カラーバランスを調整しながら、クロTに合わせる作業が必要となりました。

エプソンは許容の範囲か?上がりの確認をして進めるレベル。ブラザーにおいては、まったっく別物で調整に手こずるレベルです。メーカーの技術の方とも何度か、打ち合わせしましたが、以前より認識されており対策できていないとの内容で、ならば、シロ引きのカラーチャートを基準に、CMYKでのカラーチャートを合わせた設定を色別に報告して下さいと、昨年末に依頼しました。(まだ、返事はありません)

前処理剤でカラーインク(CMYK)を生地表面に浮かせて出力すれば、綺麗にプリントでき色目もシロ引きに合わせることができると知っていましたが、1回の洗濯で表面の毛羽が立って、削った様にぼやけてしまいます。補助的なバインダーを前処理したり、架橋剤を使ったりしても同じ結果で黄変の問題まで発生してしまいました。(以下後編)